妻有の里の禅寺―真浄院
〈沿革〉
真浄院は、新潟県十日町市四日町にある曹洞宗(禅宗)の寺院です。 天正年間(1573〜1592)初代住職の明山義光禅師(現在の新潟県柏崎市の安住寺四世)によって開山されました。
本堂
本尊:釈迦牟尼仏(須弥壇正面)
本堂外観
亀田鵬斎(かめだぼうさい)と真浄院
真浄院の庭は江戸時代後期の文人、亀田鵬斎(1752―1826)の築庭と伝えられています。鵬斎は文化年間、50歳頃から越後各地を旅し、その際に真浄院にも立ち寄ったものとされます。庭は東側の山々を借景に見立てたもので、池は中島を中心に「心」の字になっているとされます。
真浄院の本堂から四季折々のお庭を眺めながら、心安らぐひと時をお過ごし頂きたいと思います。
池は中島を中心に、「心」の字になっていると伝えられます。
ライトアップされた紅葉。夜のお庭を眺めながら坐禅もできます。
寺宝 亀田鵬斎の書
鵬斎は書や試作に優れ特に草書の名手といわれています。揮毫されている七言絶句はこの地域を桃源郷的風景と見て褒め称える内容となっています。檀家の山田様宅に代々伝わってきたものをご寄贈頂きました。庭と対比して鑑賞頂きたいと思います。
河と陽は長寿を祝うわずかな言葉も負はず/霜のやうに白く霊も骨も脚も弱い顔つき/鉄鋼はきびしくも果てはやや快い/魔在りてあらむしろや草の間にやすむ
深く浅く紫の烟は土手の間に曲り/杉皮の小屋をかすかに焼く/青く苔むす岩に水は流れゆき梅の花はゆっくりはしる/高くおこるやや碧い雲は山の上に浮いている。